妖怪画のドン!喜多川歌麿や歌川派の開祖を育てた鳥山石燕の画力が発揮された「百鬼夜行図巻」
今日までに描かれてきた妖怪画の中で、彼が描いた妖怪のエッセンスが入った作品はかなり多いのではないでしょうか?彼とは、江戸時代の絵師・鳥山 石燕(とりやま せきえん)です。
喜多川歌麿や歌川派の開祖 歌川豊春を育てた人気絵師
石燕は江戸時代中期の絵師で、もともとは狩野派の門人として絵を学んでいた人物。歌人としても活動していました。当時、石燕の画業は評判が高く、多くの門人を抱えていました。
門人の中には、後に美人画の大化とも評される喜多川歌麿(きたがわうたまろ)や、江戸時代の浮世絵界の最大派閥である歌川派の祖、歌川豊春(うたがわとよはる)などがおり、超大物を育てあげた人物でもあります。
石燕が手がけた作品には妖怪画がとても多く、今日では鳥山石燕といえば妖怪画と言われるほど。美人画や役者絵も描いていたようですが、錦絵作品としての作品はほとんど確認されていないそうです。
石燕は水木しげるさんにも影響を与えた
石燕の代表作としては「画図百鬼夜行」が挙げられます。この作品は安永5年に刊行された作品で、百鬼夜行といえば様々な妖怪が集団で歩く姿が描かれるのが一般的ですが、この作品は1ページに一体の妖怪を描いた妖怪図鑑のような構成の作品となっています。
妖怪画といえばこれ!水木しげるも参考にした、江戸時代 鳥山石燕による妖怪図鑑「画図百鬼夜行」
鳥山 石燕(とりやま せきえん)という名前を聞いて「あぁ、あの人ね」とわかってしまう人はかなりの妖怪マニアの可能性。筆者は恥ずかしながら今回調べるまで知りませんでしたが、江戸時代後期に活躍した浮世絵師…
ゲゲゲの鬼太郎の作者である水木しげるさんも、画図百鬼夜行を始めとする石燕の作品にとても影響を受けており、水木さんの作品には石燕が描いた妖怪と同じ構図のものも確認できます。
石燕の妖怪画が紹介されるときにはこの「画図百鬼夜行」が紹介されることが多いのですが、この作品はモノクロであり版画作品なので、石燕の画力の程を伺うことができないのが残念なところ。
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