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江戸時代、観光旅行のように楽しんだ参詣。「伊勢参り」はやっぱり町人たちの憧れ
お参りは旅行気分。さて、どこに行く?
江戸っ子たちにとって、神仏を拝みに行く参詣は観光旅行のようなもの。道中の景色や名物を楽しみつつ、目的地に向かってひたすら歩き続けます。1日10里(約39㎞)は歩くので、体力も時間もそれなりに要しました。近いところでも2、3日はかかります。では、どんなところに参詣していたのでしょうか?
一番の人気は、伊勢詣です。江戸時代には、4回(1650年・1705年・1771年・1830年)にわたり爆発的な伊勢参詣ブームが起きたほどの人気ぶりでした。これらの年は10人に1人の日本人が伊勢詣をしたそうです。ちなみに、徒歩で江戸日本橋から伊勢に向かうとなると、往復で1ヶ月はかかります。
このほかにも、古代から信仰されてきた熊野詣、弘法大師空海が眠る高野山に参詣する高野詣、三大弁財天の一つである江ノ島弁天に詣でる江ノ島詣、富士山頂上でのご来光を目指す富士詣など色々ありました。富士詣の場合登山をしなくてはいけないので、体が弱い人は行けず。その代わり、江戸の町にある富士塚(高さ数mの築山)に参詣して気分を味わっていたようです。
旅姿はどんなもの?
男女共に風呂敷包みをしょいこみ、菅笠をかぶり、足袋やわらじを履きます。そして、動きやすさを重視し、男性は着物の尻をはしょり、女性は浴衣の上から腰ひもでしめます。道中、物騒なことがあっては大変ということで、旅の町人は特別に帯刀を差すことも許されていたそう。
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