ひな祭りの「菱餅(ひしもち)」はなぜ三色なの?各色に込められた意味と願いを解説
♪……やよい くさもち 春一番 ひしもち あられ ひなまつり ひなまつり……♪
※やまがたすみこ「くいしんぼうのカレンダー」より。
3月3日は桃の節句、ひな祭りですね。豪華なものからシンプルに洗練されたものまで、ひな人形がお茶の間を華やがせてくれるご家庭も多いことでしょう。
先日、こんな質問がありました。
「この四角いのは何?」
指さした先にあったのは菱餅(ひしもち)。最近では実際に食べることがないからか、単なる飾りと思っている子も少なくないようです。
「これは菱餅って言ってね、ひな祭りの食べ物だよ」
「菱餅の色には何か意味があるの?」
というわけで、今回は菱餅の色に込められた意味や願いについて紹介。知っていると、ひな祭りの楽しみがちょっとアップするかもしれません。
※ひなまつり関連記事:
「ひな祭り」のルーツは邪気祓い!なぜ”桃の節句”なのか?ひな祭りに関するトリビアを紹介
童謡「お内裏様〜とお雛様~♪」実はお内裏様と呼ぶのは間違い? お雛様の”雛”って何?
菱餅の色と順番にはどんな意味がある?
厳密な決まりがあるわけではないものの、菱餅の色は上からピンク(赤)・白・緑が一般的のようです。
それぞれの色に意味があるので、まとめておきましょう。
赤……桃の花を表現/厄払いを意味する/健康長寿を願う/色はクチナシで染める
白……解け残る雪を表現/清らかさを意味する/純潔や貞節を願う/菱の実を混ぜる
緑……春の若草を表現/生命力を意味する/成長と幸福を願う/母子草やヨモギの草餅
※解釈には諸説あります。
白餅に菱の実を混ぜたことから菱餅と呼ばれ、それがいつしか餅自体を菱形に切るようになったのですね。
まだ雪が解け残る春の野で、桃の花が咲き若草が芽生えている。そんな夢と希望に満ち溢れた情景を思い浮かべながら、娘たちの幸せを願ったことでしょう。
ちなみに菱餅が現代の形になったのは江戸時代からと言われ、それ以前は矢口餅(※)のように長方形や小判型の餅を積み重ねたものだったようです。
(※)矢口餅(やぐちのもち)とは、武士の子弟が、狩りで初めて獲物を仕留めたことを祝う矢口祭で食べる三色の餅。『吾妻鏡』によると幅三寸(約9センチ)×長さ八寸(約24センチ)×厚み一寸(約3センチ)の餅を上から黒・赤・白の三段重ねにして提供されました。
武骨な矢口餅と比べると、菱餅はとても女性らしい、華やかなお菓子として愛されてきたことでしょう。



