字が上手すぎて愚痴や詫び状が”国宝”として後世に残ってしまった平安貴族・藤原佐理という男
2024年の大河ドラマ『光る君へ』では、書の名人、字の美しさが秀でている、藤原行成(ふじわらのゆきなり:演じているのは渡辺大知さんです)が登場しますよね。
書の才能だけじゃない!能筆家・藤原行成の能吏としての才能がわかるエピソード
そんな藤原行成は、三跡(さんせき:書道の能書家として平安時代中期に活躍した3人)のひとりです。三跡は、藤原行成、小野道風、藤原佐理を指します。
今回の記事では、そんな三跡のうちのひとり・藤原佐理(ふじわらのすけまさ)について詳しくご紹介していきたいと思います。彼の書は国宝にもなっていますが、実は面白い事実がありました。
三跡とは?
三跡は、書道の能書家として平安時代中期に活躍した藤原行成、小野道風、藤原佐理のことを指します。三蹟と書かれることもあります。入木道の三蹟(じゅぼくどうのさんせき)と言われることもありますなお、彼らが活躍した平安時代には、三賢と呼ばれていました。彼らの書跡はそれぞれ、「権跡」「野跡」「佐跡」と呼ばれます。
藤原佐理とは?
藤原佐理は、平安時代の944年(天慶7年)、貴族の家に生まれました。彼が4歳のころに父親を亡くしたため、祖父に育てられます。961年(応和元年)、18歳のときに昇殿を許され、朝廷の書き役を任されました。彼は、少し前に活躍していた小野道風に憧れますが、小野道風は佐理が23歳のころに亡くなります。
目標がなくなってしまった佐理ですが、血筋も相まって出生も早く、23歳で左少将、35際で参議、47歳で兵部卿を兼ね、48歳で大宰府に赴任します。55歳のときに亡くなりました。