実はいまだ不明「紫式部はいつ生まれたのか?」さまざまな学説と大河ドラマ『光る君へ』の設定検証【後編】
岡一男による「973年説」
【前編】では、紫式部の生年について「978年説」を紹介しました。
実はいまだ不明「紫式部はいつ生まれたのか?」さまざまな学説と大河ドラマ『光る君へ』の設定検証【前編】
本名も生年も未だに不明大河ドラマ『光る君へ』の放送が始まったことで、各種方面で話題沸騰中の紫式部。ご存じ『源氏物語』の作者であり、日本史上知らない人はいないビッグネームです。[captio…
【後編】では、それに対する別の説について解説します。
安藤為章や与謝野晶子によって、紫式部が生まれたのは978年であるという説があります。
これに対し、早稲田大学名誉教授である国文学者・岡一男は、『紫式部日記』に記載されている文章表現から、藤原惟規は兄ではなく弟であると推測しました。
これは与謝野晶子が提唱した考え方とは正反対です。そして岡は、紫式部の父親である為時の年齢も踏まえて、紫式部が生まれたのは973年だと特定したのです。