悲劇か当然の報いか……江戸時代に痴情のもつれがきっかけで起きた「白子屋お熊事件」とは?
現代でも、世間をにぎわせる驚くべきニュースはたくさんあります。実際にあった事件をもとにドラマや映画が作られることも。それは昔も同じでした。
今回ご紹介する「白子屋お熊事件」も、事件のあと浄瑠璃や歌舞伎の作品となっています。人々の注目を集め、後世まで語り継がれることとなった「白子屋お熊事件」とは、一体どのような事件だったのでしょうか。
「白子屋お熊事件」の背景
「白子屋お熊事件」は痴情のもつれがきっかけで起きた事件です。ときは江戸時代、享保のころのことでした。舞台は日本橋新材木町。白子屋という大きな材木問屋がありました。ここの主人・白子屋庄三郎の娘が今回ご紹介する「白子屋お熊事件」の主人公、「お熊(くま)」です。
お熊は江戸でも評判の大変な美人だったと言われています。結婚相手など選び放題……かと思いきやそうではなく、白子屋の商売が傾いていたために、大伝馬町の地主の手代・又四郎を婿にもらって結婚することになりました。
好きでもない相手との結婚だったのです。しかし、実はお熊は又四郎と結婚する前から、店の手代・忠八と関係を持っていたのです。
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