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しみじみ震えて?西野カナ、加藤ミリヤなどの”ギャル演歌”を分析してみる

しみじみ震えて?西野カナ、加藤ミリヤなどの”ギャル演歌”を分析してみる

数年前によく聞かれた”ギャル演歌”という言葉。賛否両論もありましたが、西野カナさんや加藤ミリヤさんのような”震えるほど泣ける歌”を主に”ギャル演歌”と定義されてきました。

ここでは、”演歌ってナニ?”という疑問から”じゃあ、ギャル演歌はナニもの?”までを解き、セレクトした3曲から”ギャル演歌”の実態を分析してみたいと思います。

”ギャル演歌”ってナニ?

”演歌”ってナニ?

戦後に生まれた歌謡曲の一種であり、歌詞によく使われるテーマは海、酒、雪、そして失恋(女性に多い)など。

演歌を愛する世代のほとんどが中年以上ということもあり、J-POPとは完全に区別し確立されているジャンル。
女性演歌歌手は、恋や愛の情念を歌うことが多く、中でも好きな男性に対して、憎しみなどのドロドロした想いを訴えながらも「それでもあなたを待っています」と歌い上げる歌が多い。

画像出典:京のきもの美豊日々のあれこれ

 

 

じゃあ、”ギャル演歌”は?

”ギャル演歌”というのは元々、関西学院大学准教授の鈴木謙介氏が名付けた言葉。
西野カナさんや加藤ミリヤさんなどが歌っているような、辛い、悲しい感情とどう向き合うかをしみじみ語る歌のことを指す。楽曲のスタイルではなく、歌詞に描かれる世界に着目しています。

「こんな自分が嫌いだけどカレには嫌われたくない」と内向的に苦しみながらも、「いつまでも待ち続けている」と歌うのは、女性演歌歌手が歌う演歌の歌詞の世界と似ています。しかし、この後の心の展開が演歌とは少し違う点が面白い特徴なのです。その違いを次からお話しして行きます。

画像出典:Musicman-NET

 

西野カナ&加藤ミリヤの”ギャル演歌”な3曲分析

会いたくて 会いたくて/西野カナ

2010年5月にリリースされた西野カナさんの10枚目のシングル。

「会いたくて会いたくて震える 君想うほど遠く感じて…」とストレートな歌詞から始まるのが印象的。「もう一度聞かせて あの日のように 嘘でも”好きだよ”って」の部分は特に女性演歌の歌詞の世界に近い。

しかし、演歌との違いは、実際にこれをギャルたちが聴いて震えるほど泣きながら共感することにより、こんなに悲しいのは自分だけじゃないんだと思えるところから前向きに切り替えられるというところ。

Aitai/加藤ミリヤ

2009年7月にリリースされた加藤ミリヤさんの4枚目のアルバム「Ring」に収録された曲です。加藤ミリヤさんのカラオケ人気NO.1曲としても知られています。

歌詞の内容は、西野カナさんの「会いたくて 会いたくて」とよく似ています。
カレの心変わりから、会いたいけど会えなくなった…でも会いたい、あの子より好きだと言ってほしい…という情念が一心に歌われ続けています。
この場合も同じく、この歌詞に共感し、こんなに悲しくて苦しいのは自分だけじゃないと思えることで前向きになれるところが”ギャル演歌”だと言えるのでしょう。

そばにいるね/青山テルマ feat.SoulJa

2008年1月にリリースされた青山テルマさんの2枚目のシングル。

この歌では、遠距離恋愛を乗り越えた2人の愛の絆を歌っています。ケータイを見つめ、会えない寂しさに震えながらも前向きに気持ちを切り替える姿が伺えますね。

この歌詞の世界が完全なる”ギャル演歌”だとは思いませんが、”ギャル演歌”と名付けた鈴木謙介氏さんがいうように、青山テルマさんから始まった流れのもと、西野カナさんや加藤ミリヤさんが登場したと捉えるならば、”ギャル演歌”の流れを作ったのは、青山テルマさんではないかと思います。

俗にいう”ギャル演歌”というのは、震えるほど泣ける失恋ソングでないと意味がなく、ギャルたちが”しみじみ”したい時に聴ける歌のことを指すのだと思います。

 

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