マリー・アントワネットやマリア・テレジアも夢中にさせた日本の伝統工芸「蒔絵」:2ページ目
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マリア・テレジアやマリー・アントワネットも夢中に
蒔絵は、長崎のオランダ商館を通じてオーストリアの女帝マリア・テレジアや、その娘で後にフランス王妃となるマリー・アントワネットの手元にも届いていました。
マリア・テレジアは、「ダイヤモンドより漆器」とその収集に熱をあげ、母親の影響を受けたマリー・アントワネットも蒔絵の収集をっ活発に行いました。
現在、マリー・アントワネットが収集した蒔絵のコレクションは、母親から受け継いだ50点も含め、ヨーロッパでも質量と随一のものです。
中にも江戸時代の町人の富裕層に伝わっていたものもあり、蒔絵が町人文化の中にどのように浸透していったのか理解する上でも学術的にも非常に価値があるものとされています。
こうして、日本の蒔絵が貴族の居室を飾るようになった背景には、後に「シノワズリ」と呼ばれることになる東洋趣味流行の影響もありましたが、この時期、日本の蒔絵技術は世界的な広がりを持っていたのです。
参考:蒔絵Japan
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