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あれってどういう意味?大相撲の千秋楽で最後の三番の勝ち力士には「矢・弦・弓」が渡される

あれってどういう意味?大相撲の千秋楽で最後の三番の勝ち力士には「矢・弦・弓」が渡される

三つの意味は?

後ろから三番目に勝った力士には「小結にかなう」として「矢」が与えられます。
後ろから二番目に勝った力士には「関脇にかなう」として「弦」が与えられます。
最後の結びの一番に勝った力士には「大関にかなう」として「弓」が与えられます。

前述したとおり弓はその場では渡されません。
※ちなみに横綱は「称号」であり、番付上は大関が最高位なので、「大関にかなう」となります。

行司は勝ち力士に対して「役相撲にかなう、○○(四股名)」と呼び上げます(結びの一番を除く)。

懸賞の上に弦が載っています

矢が渡されています

弓を渡す準備をする行司

相撲は15日間対戦しますが、千秋楽は横綱同士、大関同士など番付が対等の見所のある対戦が組まれます。そこで最後の三番を取れるということは、まさに実力のある証拠。矢・弦・弓を順にゲットして完成品になることを想像すると、なんだかRPGのようですね(笑)。

あれっ。弓取り式は毎日やってない?と思った人もいるはず。実は毎日行われるようになったのは1952年1月場所後のことで、江戸時代は千秋楽にだけ行われていました。
横綱・谷風梶之助ののちに始まり、次第に儀式化していったといいます。

そもそも更に遡れば、この弓を与えるという行為は、相撲大好きだった戦国武将・織田信長が始まりともいわれ、信長が宮居眼左衛門という者に弓を与えたという話が「古今相撲大全」に載っています。

刀ではなく弓というところに隠された歴史もありそうですね。

参考:『日本大百科事典』平凡社
写真:筆者撮影

 

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