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男らしすぎる!天下人・豊臣秀吉が称賛した大名・鍋島直茂の活け花エピソードを紹介

男らしすぎる!天下人・豊臣秀吉が称賛した大名・鍋島直茂の活け花エピソードを紹介

「花はわろく候へども……」秀吉の称賛

「ただ今、出来申す」

そう言うなり直茂は置いてある花の束を両手いっぱいに掴みとると、畳にトントン叩いて茎の末端を揃えます。

そして直茂は両腕に懇親の力を込めて、両手に掴みとっていたすべての花を真っ直ぐ剣山に突き立てました。

華道の場らしからぬ大きな音に、近くに同席していた一同は驚愕したことでしょう。余りの気迫に一瞬怯んだ秀吉に、直茂はぐいと花器を突き出します。

「……出来申した」

しばし沈黙の後、秀吉は呵呵大笑。直茂の意図するところが理解できたのでした。

武士(もののふ)の 華(はな)と申さば 戦場(いくさば)に
立てし武勲(いさを)と 丈夫(ますらを)の道

(戦場で立てる武勲と「漢(おとこ)」の道こそ、武士の精華すなわち生き様、人生の見せ場である)

今や天下を掌中に収め、文弱に流れつつある豊臣政権への警告か、あるいは単に華道に暗き故の破れかぶれか……いずれにせよ、直茂の武骨な潔さに胸がすいた秀吉はこれを称賛。

「花はわろく候へども、立て振りは美事。」
※『葉隠聞書』第三巻 七より。

秀吉もまた戦国乱世を闘い抜いた一人の武士として、心通じるものがあったのでしょう。

4ページ目 本当に強い者こそが平和を勝ち取り、守ることが出来る

 

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