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「いだてん」第3話振り返り。「不如帰」の風評被害と赤ゲットの由来について:3ページ目
『不如帰』はどこまで真実か
もうひとつ、当時の流行に関わる内容として、徳富蘆花の『不如帰』のエピソードがありましたね。
三島弥彦の母・和歌子が作中に登場する姑のモデルとされています。この小説は当時大流行し、三島家がモデルとなっていることは多くの人が知っていました。
設定や性格を少し拝借している程度、と人々が認識していればよかったのですが、かなりの読者が三島和歌子を小説どおりの悪女だと思っていたのだそう。三島家の人々は『不如帰』のおかげで風評被害に悩まされることになります。
ドラマでは字が読めない和歌子が「自分がモデルになった作品」としか知らず活動写真を見に行って、どんなふうに描かれているか初めて知って激怒、とちょっとコミカルに描かれていましたが、実際はもっと世間の目に悩まされていたのではないでしょうか。
作者の徳富蘆花はのちに悪人として書いたことを謝罪しています。
しかし、小説のお慶夫人が和歌子とはかかわりないといっても、和歌子はなかなかの女傑だったというのは事実らしい。ドラマでも仕込み杖を持ち歩くシーンがありましたが、あれは史実のようです。
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