東京に「坂」が多いその理由とは?「~坂」とつく地名は740ヶ所も!:2ページ目
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そもそも東京の地形は、西の多摩から東に向かって山地、洪積台地、沖積低地とだんだん低くなっていきます。氷河時代に奥多摩から流れ出した氷河は山を削り、内陸部まで深く入り江になっていた海を埋めて今の23区東部が陸地となりました。
ちなみに、多摩川流域の内陸部にある昭島市の多摩川河畔では1961年(昭和36年)に約160万年前のものと推定されるくじらの化石も発見されています。
現在の東京都の前身である江戸の町は、このような起伏があり海岸線も入り組んでいた土地を、人の手によって無理やり開発していったのですね。
起伏があるところに人が住み着くようにようになり、その結果坂道の多い町ができていったというわけです。
ちなみにアイドルユニットの名前にも使われている「乃木坂」は、1912(大正元)年の9月、乃木希典大将が殉死したことをを悼み、赤坂区議会が議決してつけられた地名なんだとか。
東京のどんなところに坂の地名がついた場所があるのか。坂の愛好家たちが集まってできた「坂学会」がまとめたリストがあります。
「東京23区の坂道」(坂学会)
そのひとつひとつの坂には、名前の付けられた歴史的な経緯や特徴があり、今も土地の人たちに愛されています。
ちょっとしたら見逃してしまいがちな「坂」ですが、ひとつひとつの「坂」を注意してみてみると、そこに日本人らしい文化の様子を見て取れるような気がします。
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