平和な世にヒゲは要らぬ!?武士からヒゲが一掃、江戸時代の「大髭禁止令」とは:4ページ目
幕府の顔も三度まで……ついに出された「大髭禁止令」!
そこまで言っても守ってくれたりくれなかったり、戦国乱世も半世紀の彼方へ消え去ろうとしていた頃。
江戸幕府の将軍も四代目・徳川家綱がいよいよ「大髭禁止令」を発布。
この取り締まりは非常に厳しかったそうで、大名・旗本・御家人など武士という武士からヒゲが一掃。自由気まま?な浪人だって、仕官したければヒゲを剃るよりありません。
かくて武士の理想像は「戦いを生業とする益荒男」から「文能に長け、洗練された官吏」へと変容を遂げていったのでした。
終わりに
良くも悪くも「温厚で柔和」と評される現代日本人の気質が培われたのは江戸時代と言われますが、かつて武士たちからヒゲを奪うことでその荒々しさを消さしめたこともまた、その一因と考えられます。
しかし、かつて「野蛮」と否定された戦国武士たちの精神や振舞いにも、往時から変わることのない倫理や道徳、矜持や美学があり、その中にもまた、私たちが学ぶべき生き方が隠されているように思われてなりません。