坂本龍馬の北海道移住の遺志を叶えた子孫。なぜ土佐の坂本家は北海道へ渡ったのか?
北海道で有名な洋菓子の「六花亭」。バターサンドやホワイトチョコなどはお土産の定番ですよね。そのパッケージ、「見たことある!」人も多いはず。
実はこの包装紙のデザイン、坂本龍馬の子孫が手がけたことを知ってますか?そもそも龍馬の子孫が北海道に渡っていたことを知る人も少ないのではないでしょうか。
風景画家、坂本直行
手がけたのは画家の坂本直行(なおゆき)氏。1906年釧路生まれの坂本家八代当主です。龍馬との関係で言えば、龍馬の甥の孫に当たります。
北大農学部入学後に、1936年から広尾町に移住して農場経営のかたわら、十勝の大自然を描いていました。1957年に個展を開催し、1960年には農業をやめ、画業に専念。そして1961年、六花亭創業者の小田豊四郎氏が包装紙のデザインを依頼。北海道の花々を描いた瑞々しくも優しい包装紙ができあがりました。
また、小田氏はほぼ同時期に児童誌「サイロ」も創刊しましたが、その表紙も直行氏に依頼をしています。直行氏は「無料なら引き受けます。元気なうちは書き続けるので、あなたも途中でやめないでください」と約束を交わしたそうです。素敵なエピソードですね。
龍馬の遺志を継いで
なぜ土佐の坂本家が北海道へ渡ったのか。
実は龍馬は北海道開拓の夢をもっていました。広大な土地に新しい日本を夢みていたのでしょう。改革が成ったら移住しようと思っていたのです。その思いは友人の長府藩士・印藤聿(のぶる)への手紙で確認することができます(※長府藩は現在の山口県下関市)。
「小弟ハエゾに渡らんとせし頃より、新国を開き候ハ積年の思ひ一世の思ひ出に候間、何とぞ一人でなりともやり付申べくと存居候」
と思いを綴っていましたが、ご存じの通り夢半ば、京都近江屋で暗殺されてしまいます。
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