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特許問題、資金不足…日本人によって発明された世界初のインスタントコーヒーと缶コーヒーのその後

特許問題、資金不足…日本人によって発明された世界初のインスタントコーヒーと缶コーヒーのその後

缶コーヒーを発明した三浦義武

一方、缶コーヒーのほうは、1965年、島根県の喫茶店「ヨシタケ・コーヒー」の店主・三浦義武によって発明されました。

コーヒーマニアだった彼は、早稲田大学を卒業後、銀座や丸の内の有名コーヒー店を飲み歩いて研究。独自の抽出方法で薫り高くコクのあるコーヒーを作り出しました。

1942年に島根県に帰郷し、3年後には村長に就任しますが、退任後の1951年にコーヒー店を開きます。そこでコーヒーの研究にいそしみ、ついに世界初の缶コーヒー「ミラ・コーヒー」の開発に成功、販売。200g入り80円で、砂糖入りミルクなしでした。ちなみに商品名の「ミラ」は、三浦とミラクルをかけた名称だそうです。

ミラ・コーヒーの味わいはとても好評で、その味わいについて三浦とも交流のあった司馬遼太郎は「絵画において富岡鉄斎、陶芸において柿右衛門」と喩えて賞賛するほどでしたが、製造の資金不足に陥り、1968年に製造が中止されてしまいました。

インスタントコーヒーも缶コーヒーも、その後別のメーカーによって大量生産されるようになり、今日私たちが気軽にコーヒーを飲めるようになりました。

その道のりは、決して楽なものではありませんでしたが、コーヒーの門戸を広げた加藤サトリ、三浦義武という二人の人物を、私たちは決してわすれてはならないでしょう。

 

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