あなたも時代の生き証人になる?祇園祭の山鉾巡行の「合同巡行」見納めか
先日無事に行われた、祇園祭の山鉾巡行。その山鉾巡行、現在のフォーマットでの開催が今年で見納めになるという話が出ています。
山鉾巡行というのは、現代でこそ祇園祭最大の見所、正に祭のハイライトとして認識されてますが、本来の目的は神幸祭&還幸祭に出る神輿の「先触れ」にあります。あのド派手な山鉾で、道に徘徊する疫神を掃除機みたいに吸引し、道を清めるわけです。
通称「前祭」の神幸祭が行われるのは、7月17日の夜。「あとのまつり」の語源である「後祭」還幸祭は、24日の夜。本来は山鉾巡行も、この両日に行われていました。しかし、昭和の高度経済成長期以降、交通整理による混雑がとんでもないことになり、全ての山鉾の巡行が17日に一本化されます。1966年、昭和41年の話です。
それを元に戻そうという話が、最近盛り上がってます。理由はもちろん、オリジナルのスタイルを遵守したいということ。あと、現行フォーマットだと巡行時間が長過ぎて、後半は見物客がダダ減りするという点も見逃せません。私は今年も山鉾巡行を覗いてきましたが、正午を過ぎると御池通の有料席には空席がズボっと大量発生。「長過ぎてダレる」というより、暑いんですよ、とにかく。尋常じゃなく暑いんで、長時間に渡る見物なんか、してらんないのです。
早ければ、来年2014年には24日の「後祭」が復活。それに伴い、巡行列はオリジナル通りに2分され、現行の合同巡行は今後見られないということになります。関係者の間では意見が分かれてるそうなので、本当に来年復活するかどうかは知りませんが、とにかく実現した暁には、合同巡行を見た全ての人が時代の生き証人となるわけです。「産業的にも観光的にも効率性重視」という、昭和の時代性を色濃く反映した山鉾巡行の生き証人となるわけです。
そう思えば、日陰のない御池通で真昼の太陽に焼かれ、「暑いっ、暑過ぎるっ、こんなのテレビで見てる方がよっぱどいいっ」とか言いながら、途中で見物を止めて帰ったなんて経験も、いい思い出になるとは思いませんか。あ、全然思いませんか。失礼しました。
祇園祭の合同巡行見納め? 意気込みと不安交錯 – 京都新聞