『飯を腹いっぱい喰いてぇ!』食にまつわる教訓が詰め込まれた昔ばなし「三合めし四合だご」:2ページ目
隠田:命がけの「ヤミ米」づくり
「隠田」とはお上に届け出ていない田んぼのことで、年貢をとられたくない百姓による一種の脱税行為。
基本的に、百姓が作った田んぼにはすべて年貢が課せられるため、隠田はもちろん犯罪行為であり、バレれば田んぼは没収され、打ち首は免れないほどの重罪です。
そうです。
ひだりぃどんは「いくら米を作っても、すべて年貢で持っていかれてしまうなら、隠田で米を作って喰おう」と考えたのです。
(馬鹿野郎、とんでもねぇことしやがって!)
ひだりぃどんの隠田を発見した村人は、今すぐ止めさせようとも思いましたが、常日ごろ「ひだりぃ、ひだりぃ」と、辛そうに汗水流している姿を思い出すと、なんだか可哀想になって、黙っておくことにしたのでした。
そして、秋になりまして。
村では米が収穫され、すべて年貢に持っていかれました。
でも、ひだりぃどんの隠田だけは年貢を免れ、ひだりぃどんはある夜中に米を収穫。脱穀してヌカをとると、一升ばかりの白米がとれました。
ちなみに一升とは十合、一合は計量カップ1杯分(約180㏄)です。
輝くばかりの白米を袋に詰めてるといそいそと家に帰り、さっそくすべて炊きました。
「はじめチョロチョロ、なかパッパ。ブツブツ言うたら火を引いて、ひと握りのワラ燃やし、赤子泣いてもフタとるな」
とは、筆者も子供の頃に教わったかまどの火加減ですが、うまくすれば四半刻(約30分)ばかりで炊き上がり、蒸らし終えれば、さぁお待ちかね。
飯椀にこんもりと盛られた銀シャリ、まさしく夢にまで見た光景。
「いただきます」
それからと言うもの、ひだりぃどんは一心不乱に米の飯を掻き込みました。
まるまる一升、掻き込んだそうです。
3ページ目 一度に喰いすぎてはならないという教訓「三合めし四合だご」