吉原女郎たちの花嫁コスプレイベント?1日限定で女郎が白無垢姿で過ごす「八朔(はっさく)」の行事とは?:2ページ目
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八朔のはじまり
吉原遊廓で八朔の白無垢姿が広まったのは、元禄の頃。ひとりの女郎がブームの火付け役となったそうです。このことは、十返舎一九「青楼絵抄年中行事」など複数の古典資料に記述があります。
それによると、元禄の頃、江戸町一丁目巴屋に高橋という名の太夫がいました。病気を患って白い着物で寝込んでいましたが、八朔の紋日(もんぴ)に一番の馴染み客が訪れたのでその姿のまま道中して揚屋に揚がって応対しました。その姿が艶やかで、見た者皆の心にグッときたので、これ以降この白無垢姿が八朔の風物詩となったというのです。
北斎「東都名所一覧 新吉原八朔」国立国会図書館蔵
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