足袋を人前で履くのは失礼?足袋の歴史をさかのぼると意外な事実がみえてきました:2ページ目
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足袋を人前で履くのは失礼?
しかし足袋を闇雲に履いていいわけではなく、人前で足袋を履くのは失礼という考え方がありました。武士は『足袋御免』といって、主君の許可を得てはじめて着用が許されました。
この足袋御免も細かな決まりがあり、江戸時代になると「50歳以上の高齢で、10月1日から2月20日の間」と定められていました。同じく貴族も室内では素足でしたが、高齢者や高貴な人は履くことを許されていたようです。
ちなみに農民の場合も庄屋や名主の許可が必要でした。町人にはこの制度は適用されませんでしたが、裕福な商家の主や風流人以外の平民は、浮世絵などを見てもほぼ素足なので、足袋は気軽な履き物ではなかったようです。
足袋の色は、八代将軍徳川吉宗が鷹狩りで履いたことがきっかけで紺が流行。武士の間では礼装の際に白足袋を用いてそれ以外は紺や黒、江戸町人も紺を用いることで定着したようです。
いずれにしても足袋は狩猟や防寒のために履くもので日常的に着用するものではなく、「人前では素足が基本」という考えが江戸後期まであったようです。
ただし、茶人や僧侶、花人、神官、能楽師などは常に白足袋を履いていました(狂言師は革時代の名残で黄色を履く)。白は清浄を表す色なので、そういった職業はむしろ白でなくてはいけないんですね。
いかがでしたか?足袋の色の変遷や、人前で足袋を履くのは失礼という考えがあったことに驚きですね。まさに日本は裸足文化だったということですね。
参考文献:ブリタニカ国語百科事典、江戸のきものと衣生活、男の着物大全
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