与謝野晶子「みだれ髪」女性による赤裸々な恋の歌は当時の評論家の間で大炎上!?:2ページ目
明治の女性の常識は「結婚=家の存続」
生き方の多様性が認められるようになったと言われる21世紀の現代にあっても、「結婚できない=恥」と考える女性は多く、アラサー世代以上の独身女性は「婚活」に時間と金銭を注ぎ込み、ストレスを溜め込んでいます。
明治時代は、女性にとってはもっともっと生きにくい時代でした。「結婚=家の存続のため」とされ、女性が恋愛を口にすることは、絶対に許されないことだったのです。
(画像出典:Wikipedia/与謝野晶子)
そんな時代に、歌人・与謝野晶子(旧姓・鳳)は大阪・堺市の有名和菓子商の家に生まれました。彼女は「将来は家のために有力な家に嫁に行くもの」として、「学問より家事や裁縫が大切」「夜は出歩かないように部屋に鍵をかけられる」という、厳しい管理のもと育てられました。
そんな文字通り「箱入り娘」だった晶子の唯一の楽しみは、『源氏物語』などの古典文学を密かに読むことでした。後に彼女は、『源氏物語』の現代語訳を世に送り出すことにもなりました。
3ページ目 保守的な時代に大胆な恋を歌い上げた、与謝野晶子『みだれ髪』