歌川広重の東海道五十三次に描かれた現存する茶店「丁子屋」が約40年ぶりの茅葺屋根の修復完了

増田 吉孝

東海道五十三次の20番目の宿場町である鞠子宿で、慶長元年(1596年)から422年間、自然薯のとろろ汁を提供し続ける「丁子屋」を知っていますか?浮世絵に興味のある方なら一度は聞いたことがあるかもしれません。

「丁子屋」は、江戸時代の浮世絵師・歌川広重の代表作「東海道五十三次」のうちの「鞠子宿」の中に描かれている茅葺屋根のお店としても有名なんです。

そんな「丁子屋」が、旅人の歴史と浮世絵の景観を後世に残すため、約40年ぶりに茅葺屋根を葺き替えをおこない、茅葺修復披露会を開催することになりました。

現在の丁子屋の古民家は、1キロくらい西の大鑪(おおだたら)地区で取り壊されるところを譲ってもらった古民家で、その時の移築から約40年ぶりの2018年1月から、茅葺屋根の葺き替えを行い、3月末に修復が完成しました。

今回の茅葺修復は、広重が描いた「丁子屋」のある風景や文化を守り、地域に貢献していくことが自分たちの使命と考え、約40年前に12代目が移築した古民家の単なる修復ではなく「広重の絵そのもの」の実現を目指したんだそうです。

「丁子屋」は今もなお、同じ場所で現役営業を続けているお店ですので、茅葺修復を終えた丁子屋の姿を見たい方はぜひ足を運び、広重が描いた当時の景観に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?

元祖丁子屋

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