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江戸時代の吉原遊廓の幼い少女たち「禿(かむろ)」が一人前に女郎デビューするまで

江戸時代の吉原遊廓の幼い少女たち「禿(かむろ)」が一人前に女郎デビューするまで:2ページ目

女郎デビュー「水揚げ」

さて、女郎デビューにあたって避けては通れないのが男性客との床入りです。初めて男性客と床入りする事を花街では「水揚げ」と呼びます。とはいえ、いきなり二人きりにして「はいどーぞ」というのは無茶があるため、実は水揚げの前に見世の中で事前に道具を使って多少仕込まれています。

水揚げの相手に選ばれたのは見世からの信頼の厚い40代の当時では初老とされる部類の男性客でした。なぜ40代かというと20代の若者だと床の中で力任せに乱暴にしてしまう可能性があるからとの事。逆に40代にもなれば女性の扱いにも慣れ、床の中でも20代と比べると動きもどこかやわやわとしているから初めてには良いとされていたのです。

画像:客待ちをする吉原遊郭の遊女 Wikipediaより

余談ですが、吉原遊廓を題材にした小説「たけくらべ」では主人公の美登利の身に「憂く恥かしく、つつましき事」が起こり、それまでのおてんばががらりと一変、性格が大人しくなってしまいます。この「憂く恥かしく、つつましき事」は水揚げだったのではないかとする説が有力です。

 

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