得意の術で大活躍!平安時代の陰陽師・安倍晴明はライバル達も実力者揃い:3ページ目
海賊退治のご当地ヒーロー・智徳法師
播磨出身で民間の陰陽師と言われる智徳(ちとく)法師は道満と同じ播磨出身で、晴明を試そうとしますが見抜かれ、式神を隠されて懲らしめられます。この逸話から智徳には少々情けないイメージがありますが、地元の播磨では見事に汚名を返上しているのです。
智徳法師は海賊に襲われた民を哀れみ、必殺の呪術を駆使して盗みばかりか強盗殺人すら平気な悪党達をたった一人で捕え、盗品を取り返します。高貴な人を陰謀から守る晴明の術と異なり、弱者を悪人から守るためのものでした。
しかも、彼らを処刑せずに改心させる(晴明や道満ならば許さなさそうですが)と言う優しさも兼ね備えている点では、智徳法師は他の陰陽師の追随を許しません。地元で愛されるローカルな英雄、まさにご当地ヒーローですね。
如何でしょうか?道満、光栄、智徳法師…晴明と張り合った陰陽師達は、形こそ違えども得意の術を駆使して大活躍しており、その魅力は晴明に勝るとも劣りません。陰陽師が登場する作品を読む時、彼らの逸話を知っておくと面白さが増すかも知れませんよ。