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歌舞伎「忠臣蔵」がモチーフのバレエ?モーリス・ベジャール振付の「ザ・カブキ」って何?

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「ザ・カブキ」のストーリー

物語は現代の東京から始まります。

たむろしている若者たちの中にいた一人の「青年」が日本刀を見つけて手にすると、『仮名手本忠臣蔵』の義太夫(三味線を使って語る、浄瑠璃の流派の1つ)が流れ、「忠臣蔵」の世界にタイムスリップしてしまいます。

有名な「松の廊下」で、高師直に悪口を言われて逆上した塩冶判官は、殿中で刀を抜いて師直に斬りつけた罪で切腹となります。そこで塩冶判官に駆け寄った「青年」は、なんと塩冶家の家老・大星由良之助と人格が重なってしまいます!

由良之助として主君・塩冶判官の仇討ちの血判状にサインをした「青年」は、その後の四十七士による「討ち入り」のリーダーとなり、最後の涙なくしては見られない切腹のシーンへ・・・。

2016年には同バレエ団により、初演30周年記念公演として新国立劇場にて上演されています。主役の由良之助には柄本弾、秋元康臣などの若手プリンシパル※1、またヒロインの顔世御前には日本を代表するプリマバレリーナ※2・上野水香などの、豪華キャストが配されました。 ※1バレエで男性の主役を踊るダンサー ※2女性の主役を踊るダンサー

モーリス・ベジャールは日本大好きなバレエの巨匠!

この作品の振付を行ったモーリス・ベジャールは、フランス・マルセイユ出身の振付家です。シルヴィ・ギエム、ジョルジュ・ドン、マイヤ・プリセツカヤなど世界の一流ダンサーによって踊られた『ボレロ』があまりにも有名なベジャールですが、その他「鹿の交尾の映画からヒントを得た」という『春の祭典』や、三島由紀夫をモデルとした『M』など、2007年に亡くなるまでの間に多くの斬新なバレエ作品を多数残し、現代バレエの巨匠として知られています。

 

 

『ザ・カブキ』や『M』を振付けただけに、彼は日本文化への関心が深い親日家で、歌舞伎役者とも積極的に交流していたとのことです。

日本大好きなバレエの巨匠が、日本のバレエ団のために残してくれた、日本を舞台にしたバレエ作品。機会があったら、ぜひ劇場で観てみたいですね!

チャイコフスキー記念東京バレエ団 公式HP

 

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