キタキターーッ!日本画家・上村松園の代表作「序の舞」が修復完了しいよいよ一般公開へ
明治時代〜昭和時代にかけて活躍した美人画の大家・上村松園。男尊女卑の強い時代ゆえ、男性画家から「女のくせに」と嫉妬や憎しみの対象にもなっていたといいます。
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松園の作品には、そんな時代を強く生きた女性の気高さが感じられ、強さの中にうかがえる上品さは、まさに上村松園の人生が投影されているようです。
そんな上村松園の代表作で超人気作の「序の舞」(重要文化財)。
「序の舞」とは、能楽の中でも上品な気分を漂わす格の高い舞のひとつ。描かれている女性は、上村松園の息子の松篁夫人たね子がモデルをつとめたんだそうです。
この作品は制作から80年近くが経過していたため、本紙と絵具との接着力が低下し、絵具層の粉状化が進行するなど、作品の保存状態が悪化していました。そのため、2015年に劣化を防ぐために本格的な修理にはいりました。
そして2018年、修復を終えた「序の舞」がいよいよ一般公開となります。修理後初公開となる場所は、東京藝術大学大学美術館で開催される展覧会「東西美人画の名作 《序の舞》への系譜」にて。
本展では「序の舞」のほか、松園の作品「鼓の音」や「母子」(重要文化財)も披露されます。
展覧会の構成は、「序の舞」にいたる美人画の源流を江戸時代初期の風俗画にまでさかのぼり、歴史的な流れをたどれるようなものになっているそうで、喜多川歌麿を始めとする江戸時代の浮世絵師の作品も展示されます。
「序の舞」が公開となれば上村松園ファンにとっては外せない展覧会ですね。序の舞の観覧と合わせて、国内の美人画の歴史をたどる場としてもぴったりの展覧会になりそう。
展覧会「東西美人画の名作 《序の舞》への系譜」は2018年3月31日(土)~5月6日(日)の期間、東京藝術大学大学美術館で開催されます。