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大震災と空襲の被害も免れる。地域住民に愛される横浜のご当地神社「水天宮平沼神社」

大震災と空襲の被害も免れる。地域住民に愛される横浜のご当地神社「水天宮平沼神社」

「横浜の水天宮」にはちょっと変わった歴史が

水天宮平沼神社という神社名も少し変わっていますが、この神社は歴史も個性的です。時代は江戸時代の後期、天保10(1839)年に遡ります。横浜駅から1駅の平沼周辺は、当時はなんと塩田でした。

村人が塩田で仕事をしていると、入江に神様を祀る小さな家のような祠(ほこら)が流れつき、何度沖へ返そうとしても戻ってきてしまいました。そのことを平沼新田の開発者である5代目・平沼九兵衛に伝えると、平沼氏は「守護神のないこの地に祀れという、神様からの啓示であろう」と言い、平沼新田の神様としてこの祠を祀ることにしました。

引き上げられた小さな祠の中には、福岡県久留米市の「水天宮」のお札が祀られていたため、この神社は「横浜の水天宮」と呼ばれるようになりました。

明治時代に入り、神社の「社格」制度ができると、この神社は「平沼神社」と改称されました。しかしそれから現代に至るまで、多くの人たちから「水天宮さま」と親しまれ、いつしか「水天宮平沼神社」と呼ばれるようになったのでした。

現在では本殿の他に、ゆるキャラのようなかわいらしい「安産・子育て河童」や「稲荷神社」などの境内社もいくつか鎮座しています。

3ページ目 大震災と空襲の被害を免れた神社は、初詣の名所に

 

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