お説教じゃない、説経節ってなに?
森鴎外の名作というと、どんな作品が思い浮かぶでしょうか。
『高瀬舟』『舞姫』、そして『山椒太夫』などが教科書にも取り上げられ有名ですが、本項では『山椒太夫』について紹介していきます。この作品を語るのに欠かせないのが“説経節(せっきょうぶし)”です。
『山椒太夫』が人口に膾炙する文学になった大きな要因と言える説経節とは、どのようなものなのでしょうか。説経と聞くとお説教のように思えてしまい、どこか堅苦しいイメージを抱きがちですが、実は寺社を舞台にした大衆エンターテイメントのひとつでもあったのです。