ダークだけど憎めない♪宮沢賢治童話に登場する可愛いネズミたち:3ページ目
身近にいるかも「ツェねずみ」「クンねずみ」
ここまで読むと、ある事に気づかされます。私達の周りにも、ツェねずみやクンねずみのようにワガママ、傲慢を押し通す人が必ずいるものです。ひょっとすると、ツェのように人の弱みに付け込んだ意地悪をしてしまったり、クンみたいに傲岸不遜な考え方を持ってしまう心は誰でも持っているのかもしれません。
賢治童話に登場するネズミは、人間に身近な生き物と言うだけあって良くも悪くも人間臭く、ブラックユーモアで笑わせてくれる一方で、時として自己反省する機会を与えてくれます。そうした意味でツェとクンの物語は、ギスギスした社会で生きる大人向けの童話と言えるでしょう。
宮沢賢治の童話「ツェねずみ」と「クンねずみ」は、インターネットの電子図書館、青空文庫で全文が公開されています。ご興味をお持ちになった方は、ご一読してみてはいかがでしょうか。