ダークだけど憎めない♪宮沢賢治童話に登場する可愛いネズミたち:2ページ目
傲慢は身の破滅…『クンねずみ』
『クンねずみ』の主人公であるクンには、傲慢でやきもち焼きと言う困った癖がありました。他のネズミやクモ、むかでといった生き物達が何か良いことを喋ろうものなら、
「エヘン、エヘン、ヴェイヴェイ!」
と咳払いをして威嚇するのです。
クンは意地悪なツェが生死不明との新聞記事を読んで喜ぶ一方、鼠会の新任議員・テねずみが立派な演説をしているのが気に入らず、またしても威張ってしまいました。彼の咳払いによる妨害に怒ったテは、配下にクン暗殺(!)を命じますが、強敵・猫大将の登場で失敗します。
猫大将はクンねずみに同情し、子供達の先生になって欲しいと言って彼を迎えますが、クンは懲りずに子猫達といさかいを起こします。算数が得意だった子猫相手に「エヘン、エヘン、ヴェイヴェイ」と悪癖を露呈してしまったクンねずみは、怒った子猫達に食べられてしまったのでした。
3ページ目 「ツェねずみ」と「クンねずみ」は青空文庫で無料公開されています