歌舞伎のあの3色の幕の紀元や意味を紹介。実は選ばれし芝居小屋のシンボルだった:2ページ目
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芝居小屋によって配色に違いがありました
江戸三座のうち中村座の幕の色だけは、現在定番となっている歌舞伎の幕の色合いではありません。【黒・白・柿】という、コントラストの強い大変カッコいい配色です。現代でも勘三郎丈・勘九郎丈・七之助丈を中心とする「中村屋」のシンボルとして使用され、平成中村座などの公演でもその新鮮な定式幕を見ることができます。
配色の違いといえば、もうひとつ意外なものがあります。
歌舞伎が上演される劇場の代表といえば東京の歌舞伎座と国立劇場ですが、歌舞伎座の定式幕が【黒・柿・萌葱】なのに対して、国立劇場では【黒・萌葱・柿】。なんと、2つの劇場で色の順番が異なっているのです。
これについては現在諸説ありますが、国立劇場の幕は市村座の配色、歌舞伎座の幕は森田座の配色を踏襲したものであるというのが、これまでの定説となっています。
同じようでいて全く異なる二つの幕。ぜひ劇場へお出かけになり、実物をお確かめくださいね!
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