妖怪はさまざま…人に危害を加えない妖怪や幸せを運んでくれる妖怪もいるんです:2ページ目
2ページ目: 1 2
名前から見た目が想像できない妖怪たち
アイヌ伝承のイペカリオヤシは、食べ物をねだる妖怪です。木の根元に座ってお弁当を食べていると、後ろから手だけ出して食べ物をねだるのが特徴。一度与えてしまうと「もっともっと」とずっとねだってくるので、焼けた炭を手にのせれば慌てて逃げていくそう。
年に一度だけ現れる妖怪もおり、姫路城の天守閣に住む女神といわれる長壁もそうです。年に一度、城主の前に姿を現して、城の運命を告げるとか。こうもりを召使いにして、12単衣姿の美女の姿という説もあれば、老婆の姿という説も。ミステリアスですね。
岩手県に出没した細手(ほそで)も、特に何をするというわけでもなく害はありません。名前の通り細長い手だけの妖怪で、これを見ると凶事の前兆と言われていました。それはそれでこわいですね。
こわいといえば、センポクカンポク。富山に出没し、死人が出た家につり下げられるむしろにいる妖怪です。人の死後、3週間はその家にいるそう。顔は人間に似ていて、蛙ぐらいの大きさ。特に何かするわけではなく大人しい性格ですが、なんとなく不吉な感じがしますから、できれば遭遇したくないですね。
あのコスメブランドの名前は妖怪が由来?
かたや会ってみたい妖怪は、ケサランパサラン!化粧品のブランド名にも使われていますね、この妖怪は、白い綿毛や毛玉のような外見で、持ち主に幸せを運んでくれるのです。春先に現れることが多く、ふわふわと空中を浮遊し、おしろいが大好物。ケサランパサランとおしろいを一緒に入れて飼育すると、どんどん増えていくとか。幸せを運んでくれる妖怪なら、大歓迎したいですね。
参考文献:水木しげる(2001)『水木しげるの日本妖怪めぐり』JTB、小松和彦(2015)『知識ゼロからの妖怪入門』幻冬舎、善養寺ススム(2015)『絵でみる江戸の妖怪図巻』廣済堂出版
ページ: 1 2