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江戸吉原には朝食テイクアウトにご飯のお供もあった。吉原のB級グルメを紹介

江戸吉原には朝食テイクアウトにご飯のお供もあった。吉原のB級グルメを紹介:2ページ目

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2017/07/12

漬菜ご飯でホッと一息!遊女の朝食タイム

さて、すくい豆腐で二日酔いや胃もたれから解放された御客人を送り出した後は、遊女達には貴重な休息である、朝食の時間が待っていました。杉浦日向子さんによると、『非現実の天女を装わねばならない』遊女は、宴会中に食事をする事が無かったとのことです。そのため、『竹村伊勢』のスイーツが差し入れられた時に喜んだり、『台の物』を役得としてこっそりと食べたわけですね。

豪華な衣装を脱いで化粧を落とし、普段着になった彼女らが好んだ朝食は、川柳に『吉原の 素顔の中に 漬菜売』とあるように、菜の漬物をおかずにして食べる白米ご飯でした。経済的な理由もあるのでしょうが、現代でも忙しい時に高菜やキムチでごはんを掻きこんでいるのと同じで、そこはかとない多忙さと疲労感を感じてしまいます。

しかし、ここで思い出して頂きたいのが吉原における漬菜の扱いです。甘露梅の記事で紹介したように、漬菜は甘露梅と昆布巻きに並ぶ吉原の名物でした。珍味ではなく安価なものであっても、江戸のような大都市でしか食べられない白米ご飯と毎朝食べられる…。そうした見方をすれば、吉原の漬菜朝食は、今で言うB級グルメのような一種の自慢になっていたのかもしれませんね。

 

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