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戊辰戦争で一族総自刃…。二人で詠み継いだ西郷姉妹の壮絶な辞世の句

戊辰戦争で一族総自刃…。二人で詠み継いだ西郷姉妹の壮絶な辞世の句:2ページ目

姉妹の遺した辞世の句

頼母にはまだ幼い娘たちがいました。長女・細布子(たえこ)16歳。次女・瀑子(たきこ)13歳。三女・田鶴子(たづこ)9歳。四女・常磐子(とわこ)4歳。五女・季子(すえこ)2歳。五人姉妹の長女、次女は壮絶な辞世の句を残しています。上の句を次女・瀑子、下の句を長女・細布子が読みました。

「手を取りて 共に行きなば 迷わじよ いざ辿らまし 死出の山道」

一説によると、まだ状況を理解していない幼い妹たちを刺殺した後、細布子と瀑子は差し違えましたが、長女細布子だけは死にきれなかったといいます。新政府軍が西郷家の屋敷に入った時、すでに部屋は凄惨な血の海でした。二十数名の遺骸の中で、女性が一人だけがかろうじて生きており、虫の息で問いかけました。

「あなたは敵ですか、味方ですか……。」

この女性が長女細布子だったのではないかと言われています。目が見えなくなった細布子は「味方なら介錯してほしい」と訴え、新政府軍の兵士は思わず「味方だ」と答えて細布子の介錯をしました。

仲の良かった姉妹は、互いに手を取り合って天を駆け上がったのでしょうか。いつまでも忘れることのできない、もう一人の「西郷さん」の悲劇です。

参考文献:菊地 明(2007)「幕末百人一首」学研新書

 

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