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なんで既婚女性は「留袖(とめそで)」の着物を着るの?留袖の由来などをご紹介

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留め袖の由来あれこれ

未婚女性は振袖、既婚女性は留袖

今では「常識」となっているこの2種類の着物は、そもそもどうして「未婚か、既婚か」で着分けられるようになったのでしょうか?これには、いくつかの説があります。

1つは「袖が長いと動きづらいから」という、機能面での理由です。既婚女性は日常の家事や冠婚葬祭などでも、色々と立ち働く機会が増えるので、着物の袖が長いと邪魔になり、自然と皆袖の短い着物を着るようになったというのです。

そしてもう1つは、「既婚女性は男性に好意を伝える必要がないから」という説です。未婚女性が異性に自分の気持ちを堂々と伝えることができなかった時代には、意中の男性に気持ちを伝えたり、男性から告白を受けて自分の返事を伝えたりする方法として、長い袖を振って合図していたというのです。

そのため、既婚女性は袖を振って男に合図をする必要がなくなるし、またあらぬ誤解を受けないようにという意味も込めて、袖を短くしたと言われています。

更に、「振袖は元々は子供用の着物だったため、成長しても着物がすぐには着られなくならないように、身丈も裄も袖も長めに作っていたから」という説もあります。

確かに、子供用の着物は「肩上げ・腰上げ」をしますよね。京都の「舞妓さん」も、子供の姿で「おぼこさ(子供らしい可愛らしさ)」を表現するために、敢えて肩上げをした着物を着ています。しかし、袖は地面に付かなければ基本的には袖上げはせずそのままで、これが現在の振袖の元となったというのです。

そして、昔は結婚年齢が若く、10代後半~20代前半にはほとんどの女性が結婚していた時代もありました。そのくらいの年齢になると体がもう成長しなくなりますので、ゆとりをもって仕立てた着物を着る必要はなくなり、留袖を着るようになったということです。

どの説も、聞けば「なるほど!」と思えます。これらの複合的な要因で、着物の「生活の知恵」として「留袖」が一般的になったのかもしれませんね。

 

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