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武蔵野台地に佇む、築170年の民家

武蔵野台地に佇む、築170年の民家

東京都心から西武鉄道で約30分の小平駅。
駅近くの小平霊園を通り抜け10分程度歩くと、東京とは思えないほど緑豊かで空気が心地良い場所に辿り着きます。
近くを流れる沢の水音がさらに気持ちをリラックスさせてくれる、江戸時代から明治時代の面影を残す柳窪(やなくぼ)集落に、薬医門を従えた一際大きな古民家が佇んでいます。

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大きなケヤキの木に守られているようなこの古民家、村野家住宅主屋は1838年に建てられ、4回の増改築・改修を経て現代に住み継がれている茅葺きの民家です。

主屋は小平市内では現存する唯一の茅葺き民家であり、当時の農村風景を今に伝える貴重な財産として敷地内の離れ、土蔵、穀蔵、新蔵、薬医門、中雀門を含め計7件が平成23年1月に国の有形登録文化財に認定されました。

主屋を含む敷地は典型的な豪農民家の形式を取り、当時の生活を今に伝えています。
薬医門が農家に置かれていることは大変珍しく、村野家の財力を感じさせるとともに、そこに武家への憧れが垣間見えます。この薬医門、元旦の初日の出が正面に臨める方角を向いて建てられているそうです。当時の方々が自然を敬い、刻々と姿を現す景色を楽しんでいた姿が目に浮かびます。
何はなくとも周りの自然や毎日の生活を楽しむ術を自ずと身に付けていたのでしょうね。

さらに土間があった場所に店先と呼ばれるお客様を迎える空間が増築されていることから、村野家は農家を経て商家へ家業を変えていったことが伺えます。これだけの人の息吹と歴史を感じられる建物が、現在果たしてどれだけあるでしょうか?

村野家住宅は個人所有の住宅のため、普段の一般見学は受け付けていませんが、定期的に見学会が開催されています。

村野家住宅特別見学会

遠足がてらふらりと、東京、武蔵野で営まれていた当時の生活を体感しにお邪魔してみてはいかがでしょうか。

 

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