古代中国の祭りを大幅リメイク?アレンジ上手な日本人が生んだ「端午の節句」:2ページ目
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日本人の本領発揮!アレンジされた端午の節句
古代日本では、中国を最先端の文化発信地と見なしていましたし、漢詩や論語などの中国古典も好まれていたため、行事も中国に合わせていました。しかし、時代が下るにつれて日本独自の文化が花開き、端午の節句はオリジナリティあふれる日本のお祭りに姿を変えていくのです。
本来は厄除け、薬草だったショウブが尚武に通じることから、江戸期には武士を中心にショウブのお風呂やチャンバラ遊びが流行りました。また、鯉が滝を登って龍になった登竜門の伝説に因んで鯉のぼりを掲げたり、月初めのお祭りだった節句は男の子の成長を祝う行事へと変わっていきました。
節句に欠かせない柏餅は、「新芽が出るまで古い葉が落ちずに残っている」ことから、子孫繁栄の縁起を担いだ御馳走として扱われました。風味だけでなく、防腐と殺菌の効果もあるという庶民的な生活の知恵で作られた、日本独自のお菓子です。
いずれも、発祥地である古代中国には存在しなかったもので、日本オリジナルの風習と言えます。
古代中国から伝わり奈良時代の宮中行事が始まりだった端午の節句ですが、アレンジ大好きな日本人の手にかかり、子どもの成長を祝福する素敵なお祭りへと変身を遂げました。大昔から続く祈りと生活の知恵に思いをはせて、家族の話題にしてみるのもいかがでしょうか?
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