驚きいっぱい!明治時代の繊細で写実的な工芸品が集結する展覧会「驚きの明治工藝」開催
日本の工芸技術が大きな発展を遂げた明治時代前後の伝統工芸品が一堂に会する展覧会「驚きの明治工藝」が開催されます。
展覧会「驚きの明治工藝」では明治時代に職人の手によって作り出された数々の工芸品を紹介。展示される工芸品、実は台湾の宋培安氏のコレクションなんだそうです。
宋培安コレクションは台湾における最も大規模な日本工藝のコレクション。その収蔵数はなんと3000点にも及ぶそうです。本展ではその膨大なコレクションの中から100件以上もの名品が紹介されます。
展示されるコレクションの中で特筆するものといえばまずは「自在置物」。自在置物とは鉄や銅などで、龍、蛇、伊勢海老などの昆虫や動物を写実的に作り上げたもので、さらに胴や手足などが可動式になっている置物。現在でいうフィギュアの走りとも言えるかもしれません。
日本ではそれまで立体的な造形物といえば仏像が中心だったので写実的な作品よりも理想像を立体化させる傾向があったそうですが、明治時代に入り数々の職人の手によって制作されていきました。残念なことに自在置物は国内には残っている作品が少ないんだそうです。しかし本展では自在置物が20点以上も展示されるんです。
そして次に注目の工芸は「ビロード(天鵞絨)友禅」。ビロードとは針金を織り込み、織り上がった後、その針金を引き抜いて輪奈(ループ)にした絹、羊毛、綿の織物のことで、戦国時代にポルトガルから伝わった技法。明治時代に京都の西村惣左衛門によって、ビロードに友禅染を施す技法が生み出されました。
漆工、金工、彫刻など明治時代を中心とした多彩な日本の工芸作品が集結する展覧会「驚きの明治工藝」は2016/9/7(水)~10/30(日)の期間、東京藝術大学大学美術館で開催されます。