武者絵ここに極まれり!血湧き肉躍る、歌川国芳の原点・武者絵の特別展「国芳ヒーローズ」開催

増田 吉孝

浮世絵師といえば葛飾北斎や歌川広重の名がまず浮かぶ…という人が多いかと思いますが、近年の日本画人気も相まって、一般的にも名が知られてくるようになった感のある江戸時代の大人気浮世絵師・歌川国芳(うたがわくによし)。

2016年3月から開催された特別展「ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞」は斬新な展示方法も話題となり大人気の展覧会となりました。

見逃せないガチンコ対決!歌川国芳&国貞揃っては初の大規模展「俺たちの国芳 わたしの国貞」開催

浮世絵のツートップが渋谷でマッチアップだ!!ボストン美術館の14,000枚を超える浮世絵コレクションの中から、歌川国芳と歌川国貞の作品を厳選して紹介する「俺たちの国芳 わたしの国貞」展が、渋谷…

ちなみにこの俺たちの国芳 わたしの国貞は、2016年8月28日(日)まで神戸市立博物館で開催中です。

関西にヤツらがやってくる!いよいよ神戸で「ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞」開催

東京・渋谷で大盛況開催中の浮世絵展「ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞」。今までになかったその斬新な展示方法が話題を呼んでおり、開館時間を延長するなどの対応が執り行われることになっています…

そんな、現代人にも人気の絵師・歌川国芳の展覧会「国芳ヒーローズ~水滸伝豪傑勢揃」が、浮世絵専門美術館・太田記念美術館で開催されます。

歌川国芳といえばユーモアたっぷりに描かれた戯画絵や、無類の猫好きだった彼の猫愛が全開の猫を題材にした作品がピックアップされがちですが、展覧会・国芳ヒーローズでは武者絵にスポットが当てられています。

前述のように国芳の作品で取り上げられるのはユニークでキャッチーな武者絵以外の作品をよく目にしますが、実は国芳は武者絵で頭角を現し人気絵師になった人物。その武者絵の代表作が「通俗水滸伝豪傑百八人之一個(つうぞくすいこでんごうけつひゃくはちにんのひとり)」。

通俗水滸伝豪傑百八人之一個は小説「水滸伝」を題材にした作品で、国芳ならではの躍動感とダイナミックなポージングは今見ても圧巻。当時の人気は相当なものだったようで、国芳の武者絵の人気で彫り物(刺青)ブームを起こすほどだったそうです。

本展ではこの傑作・通俗水滸伝豪傑百八人之一個がほぼ全点展示されるそう。また水滸伝に関連した様々な作品も展示されます。ユーモアたっぷりに描く作品とはまた違った、実に男くさく力強く、そして豪快な歌川国芳の武者絵をぜひ堪能してみてください。

彼の武者絵にはアート・デザインに携わる人たちにとってはきっと学べる部分、ヒントになる部分があるかと思います。細部の描画力に息を呑むもよし、構図やポージングのダイナミックさに見とれるもよし、国芳を様々な角度から感じてみては。

特別展「国芳ヒーローズ~水滸伝豪傑勢揃」は2016年9月3日(土)~10月30日(日)の期間、原宿・太田記念美術館で開催されます。前期・後期と別れていますので詳しくはホームページをご覧ください。

国芳ヒーローズ~水滸伝豪傑勢揃 – 太田記念美術館

この記事の画像一覧

シェアする

モバイルバージョンを終了