
ユーモアたっぷり!遊び道具として楽しまれた浮世絵にフォーカスした展覧会「江戸のおもちゃ絵」開催
浮世絵をもっともっと身近に楽しめそうな展覧会「江戸のおもちゃ絵」が開催されますよ。
江戸時代に最盛期を迎えていた浮世絵。浮世絵には歌舞伎役者の姿を描いた役者絵、物語の中のヒーローを描いた武者絵や女性を描いた美人画、そして風景画など様々なジャンルの作品が登場していました。
その中でも庶民にとっても身近な形で広まっていた浮世絵におもちゃ絵というものがあります。おもちゃ絵はその名の通りおもちゃとして描かれた版画、もしくは絵本として楽しむために描かれた版画のことで、江戸時代は子供がそれらの浮世絵で遊んでいました。
- 歌川国芳 『准源氏教訓図会 絵合』 個人蔵
- 歌川広重 『東海道五十三次細見図会 小田原箱根へ四里八丁 川ごし前後とあらそふ』 当館蔵
- 歌川重宣 『新板鳥さし双六』 個人蔵
そんなおもちゃ絵にフォーカスして浮世絵を紹介するのが展覧会「江戸のおもちゃ絵」。本展では、切ったり、組み合わせたり、考えたりすることを楽しんだ遊べるおもちゃ絵、さらには歌川広重のユーモアあふれる戯画や戯画風に描かれた東海道の浮世絵が展示されます。
- 歌川豊久 『新板糸細工』 個人蔵
- 歌川広重 『童戯武者尽(桃太郎)』 当館蔵
- 絵師未詳 『(かつらつけ)』 個人蔵
現在は浮世絵と聞くとどうしてもアートの側面から真剣に作品に向き合って鑑賞してしまいがちですが、浮世絵本来の姿である"庶民の娯楽のひとつ"ということを意識しながら気軽に鑑賞してみるとまた違った面白さが見えてくるかもしれません。
当時の子供が浮世絵を見ながら楽しみ笑う姿を想像してみると、今の私たちの感覚から考えるとなんとも贅沢で羨ましいことですが、江戸時代にはそれほど浮世絵が身近なものだったんですね。
「江戸のおもちゃ絵」は2016年7月12日(火)〜9月11日(日)の期間、静岡市東海道広重美術館で開催されます。