これは学べるぞ!人物の色んな所作が満載、江戸時代の絵師 鍬形蕙斎が描いた「人物略画式」

増田 吉孝

江戸時代中期の浮世絵師 鍬形蕙斎(くわがたけいさい)。本名 北尾政美としても活動をしていた時期もあります。

鍬形蕙斎の代表的な作品 鳥獣略画式は以前Japaaanでも紹介しました。略画式というだけありスケッチ画のようなタッチでシンプルに描かれているのですが、どれも丸々とした柔らかい線でとっても可愛いらしく描かれています。

ゆるカワ炸裂だ〜!葛飾北斎に真似された男、鍬形蕙斎の「鳥獣略画式」の可愛さよ!

北尾政美という人物を知っている方はどれだけいるでしょうか?私もつい数日前に知ったばかりなのですが、江戸時代中期の浮世絵師です。北尾重政に師事したのちに浮世絵師として活動をし、寛政6年には鍬形蕙…

彼が刊行した略画式シリーズは葛飾北斎が北斎漫画を描く際に参考にした、真似をしたと言われており、確かに言われてみれば似ているかも…と思えるシーンもちらほら。

鍬形蕙斎の略画式シリーズのうち鳥獣略画式と並んでとても面白いのが「人物略画式」という作品。人物略画式は人物の様々なシチュエーション、所作をスケッチのようなシンプルな線で描いた作品集です。

人物略画式にはたくさんの人物が描かれていてイラストなどを描く仕事をされている方は人物を描く際の参考になるのではないでしょうか?人物の表情などはそこまで詳細には描かれていないのですが、いろんな体のポーズが掲載されているので絵を描く際のヒントになりそう。

スケッチといえば、人気浮世絵師 歌川国芳が残した「国芳芝居草稿」もなかなか面白いです。国芳の画力の高さが伺えます。

さすがのデッサン力!浮世絵師 歌川国芳の努力が伺える直筆デッサン画がすごい

言わずと知れた江戸時代の浮世絵師 歌川国芳。独創性のある作品、斬新な構図の作品を数多く残し、当時でもひとり飛び抜けた才能であったことは間違いないでしょう。そんな歌川国芳はデッサン力の高さにも定…

鍬形蕙斎の略画式シリーズはスケッチ作品集という以外にも、絵描きの指南書のような使い方をしてもらうために描かれたものなのかもしれませんね。

人物略画式の全ページはBritish Museumのギャラリーでオンライン公開されていますので要チェックです!

British Museum – Jinbutsu ryakuga shiki 人物略画式 (Figures in the Abbreviated Picture Style)

この記事の画像一覧

シェアする

モバイルバージョンを終了