河鍋暁斎や歌川国芳などの日本画や、漫画やアニメでもよく見かける妖怪の画。同じ妖怪でも作家の画風やデフォルメ具合で様相が変わっています。もののけの存在が信じられていた時代もあったはず。もし本当にいたとしたらどんな姿なのでしょうか?もし夜中に出会ったらこんな感じかも…と思わされるリアルな妖怪画がありました。
制作しているのは妖怪造形作家の河野隼也さん。お盆の時期に京都の京福電鉄嵐山本線の電車内に扮装した妖怪が現れる妖怪電車や、妖怪をテーマにしたアートフリマなどのプロデューサーとしても活躍されています。では、妖怪文化研究家でもある河野さんが解説した説明と合わせて、妖怪画を紹介していきましょう。
輪入道
車輪の中央に顔がついた妖怪で炎を上げながら走る。これを見たものは魂を失うが「此所勝母の里」と書いた呪符には近づけないという。
猫又
猫は年を経ると尾が分かれ、二足歩行をし、夜な夜な集まり手ぬぐいをかぶって踊るという。死体をあやつるため、葬儀の際は猫を決して遺体に近づけてはならないとされる。
小豆洗い
無人の川辺で小豆を洗う音をさせる。姿は見えないはずだが禿げ頭の男の姿で描かれる音の妖怪。
一反木綿
浮遊する木綿の布のような妖怪。夕暮れ時に歩く人の顔に巻きついて窒息させたり、体を巻き取り上空へ連れ去るという。
塗り壁
人の行く手を遮る見えない壁の妖怪。なぜか前に進めなくなる怪現象の原因だといわれる。棒で足元を払うか煙草を吸って一服すると消えるとか。
ぬらりひょん
後頭部の長い老人の妖怪。夕暮れ時の忙しい時間に家へあがりこみ、主人のように振る舞う。妖怪の総大将とされる。
夜行童子
三つ目の子供の妖怪。節分の夜にどこからか現れて古道具を妖怪変化させて百鬼夜行を先導する。
※ちなみに、夜行童子はあたかも昔からいる妖怪のように見せかけた、オリジナルのイベント用キャラクターだそうです。
もし身近に妖怪がいたら…と妄想が膨らむ作品の数々。HPにはリアルな妖怪画はほかにも公開されていますので、モノノケファンはぜひご覧ください。