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【豊臣兄弟!】「自分を殺そうとした男」の側室に…秀吉に処刑されかけた姫・南局を襲った数奇な運命

【豊臣兄弟!】「自分を殺そうとした男」の側室に…秀吉に処刑されかけた姫・南局を襲った数奇な運命:2ページ目

間一髪で助けられ、秀吉の側室に

耐え切れなくなった豊国は、ついに降伏を申し出ます。

「やめろ、やめてくれ!降伏する!降伏するから茜だけは助けてくれ!」

父親として、目の前で茜が殺されることには耐えられませんでした。

……あの娘を殺させたらんは。吾浮世に在て何かせん。出家入道して。高野粉川の奥にも入ぬべし。身を捨(すて)国を切取も。子共等か栄耀を思ふにこそあれ……

※『陰徳太平記』巻之六十四「山名豊国心替付森下中村背豊国事」より

【意訳】茜が殺されてしまったら、わしはこの世で何をすればよいのか。出家して高野山に籠もるしかない。親というものは、命を捨てて一国の主となっても、子供たちが幸せになる以上の望みなどないのだ。

それはもちろん、ごく当然の感情ではあるのですが、すでに妻子を殺されてしまった家臣たちは

「どうせ降伏するのだったら、最初から降伏すればよかったではないか!」

「そうすれば我々の妻子は殺されずにすんだのに、これではまったく殺され損ではないか!」

「自分の娘が可愛いのは当然だが、他人である我々家臣の妻子など、どうでもいいと思っていたことがよく分かった!」

など、豊国を深く恨んだことでしょう。助けられた茜に対しても、複雑な思いを抱いたであろうことは想像に難くありません。

かくして娘を助けるため、秀吉の軍門に降った豊国ですが、約束通り因幡一国を安堵されるかと思いきや……。

「何をたわけたことを。あれは『すぐに降伏すれば』の条件じゃ。無駄に渋った者をそこまで厚遇してやる義理などないわい!」

とばかり、あっさりと反故にされてしまいました。

辛うじて鳥取城主としての地位を保った豊国ですが、すっかり人望を失ったため、重臣の森下道誉(もりした どうよ)・中村春続(なかむら はるつぐ)らによって追放されてしまいます。

いっぽう茜は秀吉の側室となり、南局と呼ばれるようになりました。秀吉とすれば、落ちぶれたとは言え、名門・山名氏の娘を側室に抱えることで、自身のステイタスを高めたかったのでしょう。

果たして秀吉から寵愛されたのか、どのような生活を送ったのか、詳しいことはわかっていません。

秀吉は気にしてなかったでしょうが、茜にすれば秀吉は「自分を殺そうとした男」です。純粋に愛情を持てというのは酷でしょう。

結局秀吉との間に子供は生まれず、秀吉より長く生きたのか、あるいは先立ったのかについても不明です。

3ページ目 山名茜・基本データ

 

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