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朝ドラ『風、薫る』本当にあった“寛太みたいな詐欺”!七変化の詐欺師に重なる明治時代の弱者たち

朝ドラ『風、薫る』本当にあった“寛太みたいな詐欺”!七変化の詐欺師に重なる明治時代の弱者たち:2ページ目

寛太の新ビジネス!?「憲法発布の記念碑寄付」詐欺

高価そうな洋装のスリーピーススーツ姿の寛太は、着流しの遊び人姿とは別人のようです。

直美に会いに来た目的は、直美が探している「産みの母親」の情報を届けにきたのでした。(意外と義理堅くていい人)

立派なスーツ・髭・山高帽という姿に驚いた直美が訳を問うと、「ここのところ、憲法発布で忙しくてさ」と言いました。

そして、いきなり芝居がかった調子で、

「え〜、この度“大日本帝国憲法発布の記念碑”を建設することになりました!そこで、皆様のような名士の方々の名前を記念碑に刻ませていただきます。一口50円から寄付を願います……ってな」

見栄っ張りの小金持ちに声かけると、おもしろいように金が集まる。どうせ、憲法なんか読んだことあるやつなんか、いやしないんだから」

と、言って嘲笑いました。

相変わらず、世の中のトレンドに乗る詐欺を働いている寛太。商売?は順調で東京から地方まで遠征してるようです。スーツも帽子も、全部儲けたお金で揃えたのでしょう。

実際に、「記念碑 寄付金 詐欺」は存在していたのでしょうか。

国家的イベントの便乗詐欺があった明治時代

実際、明治時代、国家的なイベントに便乗した商売・風説・募金の募集など数多く誕生した時代だったそうです。

明治22年(1889)2月11日の大日本帝国憲法発布のときは、日本中が祝賀ムードに包まれ、さまざまな出来事が起こっています。

▪️『絹布の半被』という噂

大騒ぎになったわりには、ほとんどの人が「憲法発布」という意味を理解してなかったので、「天子さまが絹布(けんぷ)の法被(はっぴ)を国民に下さるのだ」という噂が広まってしまいました。

▪️「憲法」そっちのけのお祭り騒ぎ

東京では通りは提灯や花で飾られ、屋台や山車が出て、人々は国旗を振って「万歳」と叫び回り大騒ぎ。国旗がバカ売れしたため職人は徹夜で作り、日毎に値段は釣り上がっていきました。

この様子を見て、ドイツ人の医学者エルヴィン・フォン・ベルツは「日本人は馬鹿騒ぎをしているが、誰も憲法の内容を知らないのは滑稽なことだ」という皮肉を日記に期しているとか。これは現代も同じなので、耳が痛い思いです。

前述した、寛太も同じようなことを言ってましたね。盛り上がるときは「高値に釣り上げてもモノが売れる最大のチャンス」なので、詐欺も当然あったことでしょう。

(ちなみに、ベルツは「風、薫る」の舞台となっている帝都医大病院で精神医学の教鞭をとっていた人物です。)

▪️提灯行列・奉祝式典・祝賀会など

地方でも各地で行われました行列や式典など。募金や寄付の募集、記念碑や銅像の建設なども増えたそうです。

記念碑や銅像以外にも、寺院、学校、橋、神社などでは、高額納付者の名前を石碑や額に刻むということもごく普通に行われたとか。

こんなふうに世の中がお祭り騒ぎになれば、「記念碑寄付」詐欺が起こっても不思議ではありませんね。

3ページ目 本当にあった東京府を騙った「腕時計」詐欺

 

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