2027年大河『逆賊の幕臣』で北村一輝が演じる“マムシの耀蔵”とは?遠山の金さんも追いやった妖怪の生涯:4ページ目
東京の堕落ぶりを怒り嘆く
ともあれ赦免された鳥居耀蔵は、20数年ぶりの江戸改め東京へ舞い戻りますが、あまりの堕落ぶりに驚愕しました。
「わしの言うことを聞かなかったから、こんな有り様になってしまったではないか!」
この時の怒りと嘆きについて、鳥居耀蔵は「東京」と題して詩に詠んでいます。
交市通商競イテ狂ウガ如ク
誰カ知ラン故虜(こりょ)ニ深望アルヲ
後ノ五十年須ラク(すべからく)見ルヲ得ベケレバ
神州(しんしゅう)恐ラクハ是レ(これ)夷郷(いきょう)ト作ラン(ならん)
【意訳】
まったく……どいつもコイツも、狂ったようにカネ儲けに奔走しておる。
かつて罪人と貶められたわしの政治理念を、誰が理解してくれるだろうか。
50年先の未来を見ることが出来るならば、
きっと日本は野蛮人の国となっておるだろうよ!
東京の現状にうんざりしたのか、鳥居耀蔵は明治3年(1870年)に故郷の駿府へ移住しました。しかし誰も知り合いがおらず(万が一いても毛嫌いされたことでしょう)、明治5年(1872年)に仕方なく東京へ戻っています。
そして過去の栄光や日本の行く末を語りながら、明治6年(1873年)10月3日に世を去りました。享年78歳。
終わりに
今回は「マムシの耀蔵」こと鳥居耀蔵の生涯をたどってきました。蘭学者の弾圧や庶民の取り締まり、そして水野忠邦に対する裏切りなど、悪役要素てんこ盛りですね。
しかし権力の座を追われた丸亀時代の20数年は、打って変わって人々から慕われる一面も見せていました。
果たして大河ドラマ「逆賊の幕臣」では、どのような鳥居耀蔵が描かれるのでしょうか。北村一輝の熱演に期待しています!
※参考文献:
- 松岡英夫『鳥居耀蔵 天保の改革の弾圧者』中公新書、1991年11月
- 田中弘之『「蛮社の獄」のすべて』吉川弘文館、2011年6月
