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戦前の納税は「自己申告」ではなかった!脱税が少なく、税金を払うことが“誇り”だった時代とその転換

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GHQによる方向転換

しかし終戦を迎えると、こうした商店街単位の課税方式は、地域の世話人に強い権限を与えて民主化を妨げるとGHQが判断します。

どういうことかというと、税務署から「この街はこれだけ払え」と通知が来ると、世話人が各店の売上や規模を見て負担額を決めていきますが、この決定において地域の慣習や人間関係が大きく影響していたのです。

つまり、ここで世話人がある種の権力を持つことになるわけです。

この仕組みは、先述の通り江戸時代から続く「共同体で負担する」という考え方の延長線上にありましたが、GHQの目には古い因習として映ったのでしょう。

こうした経緯もあり、戦後の税制改革でこの仕組みは廃止され、現代の申告納税制度へと移行します。

当初、自分の税金を自分で申告し、自分で納めるという方式には面食らった人も多かったようです。

このように戦前の税制を振り返ると、税が単なる負担ではなく、社会の価値観や生活のあり方と深く結びついていたことがわかります。

脱税が少なかったのは制度の構造によるものであり、同時に税を払うことが“誇り”とされる空気があったからでもあります。

現代の自己申告制度とはまったく異なる、どこか素朴で、どこか不思議な時代だったと言えるでしょう。

参考資料:大村大次郎『脱税の日本史』宝島社、2024年

 

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