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『豊臣兄弟!』あれほど仲の良い兄弟なのに…豊臣秀吉と秀長の実父を巡る切なすぎる矛盾と謎

『豊臣兄弟!』あれほど仲の良い兄弟なのに…豊臣秀吉と秀長の実父を巡る切なすぎる矛盾と謎:3ページ目

罵倒に秘められた愛憎?

とはいえ、上記の同一人物説が正しいとすれば、解決すべき大きな謎が一つ残ります。

それは賤ヶ岳の戦いで秀吉が秀長に対して放ったとされる、「お身と我は、種違ったり(父が違う)」という罵倒です。

実の兄弟であるはずの秀長に対し、なぜ秀吉はこんな言葉を諸将の前で吐いたのでしょうか。

少し詮索するようですが、ここには、単なる出生の秘密を超えた家庭内の闇が隠されていたのかもしれません。

上記の弥右衛門・竹阿弥同一人物が誤りで、もし母のなかが、弥右衛門が機能不全に陥っていた時期に「竹阿弥」という別の男と通じていたとしたらどうでしょう。

あるいは、離婚前後の混乱の中で秀長が授かったのだとすれば、秀吉の目には不義の子と映ったはずです。

秀吉にとって秀長は、最も信頼できる右腕であると同時に、実家の困窮と母の苦悩を象徴する存在でした。その愛憎入り混じる感情が、決定的な場面で「父が違う」という毒のある言葉となって漏れ出したのかも知れません。

このように、豊臣兄弟の父親の経歴については矛盾と謎がついてまわり、あちらの説を採ればこちらの説が成り立たないという二律背反状態に陥っているのです。

※トップ画像:大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより

参考資料:
呉座勇一『真説 豊臣兄弟とその一族』2025年、幻冬舎新書
中公ムック『歴史と人物24 豊臣秀吉と秀長 完全ガイド』2025年、中央公論新社
TJ MOOK『歴史アドベンチャー 豊臣秀長 天下統一を成し遂げた兄弟の軌跡』2025年、宝島社
MSムック『豊臣秀長と秀吉 戦国乱世と天下統一への道』2025年、株式会社メディアソフト

 

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