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【豊臣兄弟!】直の願いは生き続ける…小一郎が誓った“直が見たかった世”は「平和令」の伏線か

【豊臣兄弟!】直の願いは生き続ける…小一郎が誓った“直が見たかった世”は「平和令」の伏線か:2ページ目

失意の弟を気遣うも耐えきれず陰で涙を流す兄

今回、冒頭から、兄・藤吉郎に泣かされました。調子がよくてウソつきで人たらしの策略家で、冷徹な一面もある藤吉郎。直が殺された悲劇に黙々と耐える弟に、次々と用事を押し付けていました。

偵察に出かける小一郎の後ろ姿を見送りながら、「強い男じゃのう。許嫁が亡うなったというのに」という蜂須賀正勝(高橋努)に、「そう見えるか?」と淡々と返します。

と思いきや。

突然、声が震え表情が揺らぎ「わしにはあやつの悲鳴しか聞こえぬ。何かをしていなければ立っていられぬのじゃ」……といい、涙を流す姿に泣かされました。

「だから無理難題を押し付けて生きる張り合いを与えるのじゃ。そんなことしかできぬ。情けない兄じゃ」と。

何の邪念もウソも計算もない、ただひたすらに弟を心配する兄の姿。こんなに弟が大好きだったから、失った晩年の秀吉は抑制が効かなくなっていく、という未来への布石の始まりなのでしょうか。

財産、信用、地位ほか、失って耐えられないものはいろいろありますが、どう努力しても絶対に取り戻せないのが『命』。消えた命だけはどんな技術を用いても、どんなに金を積んでも、どんなに悲しんでも元に戻せません。

「喪失感に襲われた弟は、失望のあまり侍を辞めるかもしれない。自害するかもしれない。隙だらけなので敵に命を奪われるかもしれない。」と、心配したことでしょう。

前回、8話の『墨俣一夜城』で、作戦に失敗して戻ってきた弟と再会したとき、「命があっただけで大手柄じゃ!」「生きて戻ってきたこと」を褒めていた藤吉郎を覚えていますか。

大切な小一郎がその「命」を失わないよう、できることをしながらも心配でたまらない…そんな兄の心情が伝わってきました。

農民同士の争いで失われた直の命。「侍のはしくれ」なのに直を守れず命を断ち詫びようとする弥助(上川周作)。悲しみで潰されそうな弟の命を心配する兄。

このドラマの根底に流れる『命』の重さを改めて感じる場面だったと思います。

直の父が小一郎に伝えたかった「賭け」とは

オタクキャラで戦好きで変わり者の竹中半兵衛が、自らオファーした「三顧の礼」に応えて、調略に成功した瞬間。「うほほっ!」という感じでめちゃくちゃ顔に出る蜂須賀正勝も藤吉郎も、顔に驚きと歓喜の表情を浮かべたのに。小一郎は表情を失ったままでした。

美濃三人衆も味方に引き入れ大手柄をたてた小一郎は、直の墓参りに訪れます。ずっと忙しくしていたので、初めて墓に向き合ったのではないでしょうか。

故郷の中村にいたとき、直が小一郎に用事を頼んでは紐に付けた小銭を渡していましたね。前回、墨俣砦作りに出向く小一郎に、その小銭付き紐でおにぎり包みを結び渡していました。その紐付き銭と包みの布を墓前に置き、自分の刀を置く小一郎。

「手柄を挙げて褒美ももらったけれど。それがなんじゃ。まったく嬉しいとは思わん」「もうどうでもいい、お前がおらんのやったら。わしも少し休みたい」と、力無く報告します。そこに登場したのが、直の父親・坂井喜左衛門でした。

「死ぬんか!それとも侍をやめるってことか!」と声をかける喜左衛門に土下座して、直を守れなかったことを詫びる小一郎。「やめい!鬱陶しい。銭をよこせ!」という喜左衛門の言葉に当惑する小一郎。

喜左衛門は、小一郎を責めにきたのではありませんでした。実家に戻ってきたときに交わした、『娘との賭け』を伝えに来たのでした。

3ページ目 「無駄な殺し合いを無くす世」に賭けた直に誓う

 

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