【豊臣兄弟!】第4回「桶狭間!」注目の考察4選:父の仇をなぜ討たない?直のアンサーソング、草履の伏線:2ページ目
「わしは死ぬのが怖い、殺すのが怖い」小一郎の本心
これは、筆者の推測ですが、城戸小左衛門を徹底した悪党キャラに描いたのは…
・兄弟が“仇”として、心底憎みやすいから
・正面からぶち当たっても勝てないので、戦のどさくさに紛れ“倒す”という藤吉郎らしい戦法にでるため(ああいう悪党なら多少、ずるいやり方で仇討ちをしても良心が痛まない)
・どんなに強い槍の名手でも、矢一本で簡単に死ぬ“戦”の無常さを描くため
・同僚の手柄を奪った小左衛門が、その子供たちに手柄を奪われるという因果を描くため
など。
実際、小左衛門への怒りを募らせることで、まだ危うかった二人の結束が強まったようにも見えました。
けれども、戦場で今がチャンスと、弓で小左衛門を射ろうとした藤吉郎を小一郎が止めす。「悔しいがあいつは味方にとってなくてはならぬ男。今、小左衛門を失うことは味方にとって損失だ」と。
“どんなに憎い仇でも戦の状況によっては中止する”。さすが、のちの冷静な補佐役秀長を感じさせる場面と、思いきや……
「主君のため命を散らすが美学」ではない小一郎
「俺は戦で死にとうない、生きて帰りたい」。だから、強いやつは殺さないで!、小一郎の正直な叫びが描かれました。
「戦場で主君のために命を散らすのが美学」ではない小一郎。
どんな戦いの場でも、「俺は死ぬのが怖い」と、正直に自分自身の恐れをわかっている人のほうが冷静な判断ができるもの。
死ぬのが怖いのは当たり前。臆病になるからこそ、工夫をして道を切り開く……「自分が死ぬのも、殺すのも怖い」と素直にぶちまける、小一郎の芯の強さが感じられました。
このような描写が、史実では、暴走する秀吉のストッパーとして評価された豊臣秀長という人物へと繋がっていくのかなと。
「この臆病者が!」と怒っていた藤吉郎が、震えて突っ伏している小一郎を抱き起こし、「あとで偉くなってあいつを顎で使ってやるとするか!」と、笑顔で即座に判断した場面は、今回、好きな場面です。
笑顔の裏の“闇”が怖い藤吉郎ですが、ここでは小一郎のどストレートな思いで“善”の部分が引き出されたような気がしました。
このコンビネーションの妙も、のちの豊臣政権に反映されていくのかと思います。
3ページ目 「死にとうない!」に「生きておれば十分」な直のアンサーソング
