『豊臣兄弟!』迫る「桶狭間の戦い」史実では藤吉郎と小一郎はどのような役割を果たしたのか?:2ページ目
藤吉郎は槍働き以外活動で戦いに貢献
一方、兄の藤吉郎についても、「桶狭間の戦い」における具体的な働きは、実のところよく分かっていません。この戦いが起きた頃、藤吉郎は織田信長に仕えてからおよそ2年が経過しており、その身分は足軽組頭程度であったと推測されています。
では藤吉郎が、足軽大将のもとで足軽たちを率い、長槍を手に戦場を駆け回っていたのかといえば、どうもそうとは考えにくいのです。
『豊臣兄弟!』では、藤吉郎は武芸の鍛錬を怠らぬ人物として描かれています。第1回「二匹の猿」では、斎藤家の間者・横川甚内(演:勝村政信)を真っ向から斬り倒す場面が描写され、返り血を浴びたその表情に、従来の「豊臣秀吉像」とは異なる凄みを感じた方も多かったのではないでしょうか。
戦国時代は言うまでもなく、ひとたび合戦の戦端が開かれれば、身分の如何を問わず、常に討ち死にの危険が付きまといました。しかも、白兵戦が主流であったこの時代においては、戦場に身を投じるという行為そのものが、きわめて過酷なものであったのです。
だからこそ、足軽階級の雑兵の中にも、日頃から刀槍の技を磨いていた者は少なくなかったでしょう。藤吉郎もまた、そうした一人であった、そのような解釈を、このドラマは示しているのだと思われます。
