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【豊臣兄弟!】献身的な弟の正体…金の亡者・小一郎(仲野太賀)のえげつない“守銭奴ぶり”とその真意は?

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秀長主導の悪徳金融「ならかし」

しかしこの莫大な遺産は、領民たちの血と汗と涙によって築き上げられたものです。

秀長は領民に対して「ならかし(奈良借)」と呼ばれる悪徳金融を実施。金商人(両替商・金融機関)を通じて半ば強引に貸し付けを行い、法外な利息をむしりとるのでした。

※奈良「借」と書いて「ならかし」と読むそうです。

秀長の死後にその実態が発覚し、領民による一家心中や直訴事件にまで発展します。

冷酷非道な兄・秀吉(池松壮亮、藤吉郎)と対象的に、寛仁大度をもって臨んだ印象が強い秀長ですが、領民たちには収奪と搾取の限りを尽くしたようです。

秀長の生前に大和国で大きな混乱がなかったのは、秀長の人徳ではなく、強権的な抑圧ゆえかも知れませんね。

その後「ならかし」によって築き上げられた巨万の富は、秀吉の命令により朝鮮征伐ほか、豊臣政権の軍資金とされます。

終わりに

今回は小一郎こと豊臣秀長の守銭奴ぶりと、彼が残した莫大な遺産について紹介してきました。推定金額と言い、調達手段と言い、実にえげつない限りです。

これについて『多聞院日記』では、痛烈に批判していました。

……一分一銭(いちぶいっせん)主の用には不立(たたず)、抑(そもそも)無限(かぎりなき)財宝なり、さこそ命惜(おしか)るらん、浅猿々々(あさまし、あさまし)。

※『多聞院日記』天正19年(1591年)1月23日条

【意訳】これほどまでに巨額の財産を蓄えても、死んでしまえば何の役にも立たない。そもそも生命より尊い財宝などなかろうに、そうと気づかず領民を虐げて蓄財に励む姿は、まったく浅ましい限りであった……。

秀長の被害を受けた当事者としては、嘲り笑ってやりたかったことでしょう。

しかし秀長とすれば、たとえ自分の生命と引きかえても兄の野心を叶える助けになりたかったのかも知れません。

どこまでも献身的だった秀長の遺産を前に、秀吉はどう感じたのでしょうか。

NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」では、この場面がどう描かれるのか、今から注目しています。

※関連記事:

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※参考文献:

  • 黒田基樹『羽柴秀長とその家臣たち 秀吉兄弟の天下一統を支えた18人』KADOKAWA、2025年10月
  • 柴裕之 編『シリーズ・織豊大名の研究 14 豊臣秀長』戎光祥出版、2024年11月
  • 渡辺世祐『豊太閤と其家族』国立国会図書館デジタルコレクション
 

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